カーボンニュートラルへの取り組み~農林業における二酸化炭素の循環
森林からエネルギーを、エネルギーから農業の未来を
オムニア・コンチェルトの基盤技術は、CO2局所施用による栽培促進・管理です。「環境にやさしい」を掲げる弊社では、従来から排ガス回収された液化炭酸ガスを利用してきました。
ここを出発点に、現在、木質バイオマス発電やメタン発酵発電から得られるCO₂・排熱・電力を、農業や林業の現場に再び還元する取り組みを構想しております。
木質資源の有効活用により、地域全体のエネルギー循環を実現。本記事では、その「循環のしかけ」についてご紹介します。
森林におけるCO2収支の最適化

森林は、成長が盛んな時期にはCO2を多く吸収しますが、ピーク以降年を経るごとにCO2吸収量が低下。老齢樹になると、CO2収支がマイナスになる可能性があります。また、気候・気象要因による倒木や立ち枯れ、寿命の短縮化などのCO2排出要因が発生することも。そこで、森林のCO2固定化機能を維持するためには計画的な伐採、植林などの更新管理が必要となります。
2050年カーボンニュートラルを見据えたJ-クレジット制度でも、「伐って、使って、植える」循環システムの確立を目指しており、CO2吸収・固定・排出削減の効果を高めるため、主伐後の再造林を推進するなどのルール改正を2022年に実施しています。
この循環を支えるために以下のような森林資源の活用を組み入れます。
- 伐樹の建材への利用 = 長期の炭素ストックとしての活用
- 木質バイオマス発電への利用 = 化石燃料の代替として、CO2排出を削減
- 木質バイオマス発電における排出CO2を苗木の促成栽培へ利用 = スムーズな森林の若返り、固定化機能の維持
CO2有効活用の流れ

計画的な伐採で、森林資源を木質バイオマス発電・メタン発酵発電に利用。この時点で、CO2の主な発生源である化石燃料の削減につながります。それにとどまらず、発電時に排出されるCO₂は、人体や植物に影響を与える有害成分(NOx、SOxなど)を除去した後、植物の光合成促進や藻類培養などに再利用。
これにより、炭素を捨てるのではなく「育てる炭素」へと転換します。
CO2循環モデルの実現に向けて、いま
現在、複数拠点にて、森林資源活用×バイオマス発電×一次産業連携の実証を進めています。
これまでに得られたデータをもとに、CO₂循環の最適化、設備制御の効率化などを段階的に検証中です。
今後は、地域内エネルギーの自立と、農林水産業の生産性向上を両立させる「地域内カーボンサイクルモデル」の確立を目指しています。この考え方は、弊社の樹の街創りとしても展開しております。
実証の現場はこちらでご紹介しています。
ご案内
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カーボンニュートラルへの取り組みにご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。



